【本】『アメリカの現代教育改革〜スタンダードとアカウンタビリティの光と影』を読んで

明日から8月第1週が始まります。前半からは週の半ばにかけては仕事がらみの勉強会が続き、週末には健診のために病院に一泊することになっています。充実していると言い切れないのが辛いところですが、新しい出会いに期待して乗り越えようと思います。

というわけで、この土日はお勉強会の資料づくりにも取り組まなくてはなかったのですが、かなり前からツンドク状態で気になっていた書籍をようやく読むことができました。

この本です。

実は、松尾知明氏の著書を読むのは2冊目です。同じ著者の本を読むことがあまり多くない私には珍しいことです。

松尾知明氏による書籍は各章の冒頭に、章の要点がまとめられいるのが特徴です。そのため、私のような素人には、とても読み易い本に仕上がっています。同じフィールドで研究している方々には物足りなさが残るかもしれません。

この本を手にしたのは、アメリカで進められているスタンダード教育改革について知りたいと考えたからです。

期待どおり、この本では、州レベルのスタンダード教育改革について紹介している章があり、その成果と課題を知ることができました。

また、カリキュラム構想のアプローチとして知られている「逆向き設計」をもとにした総合的なカリキュラムづくりについて知ることができました。ドレイクとバーンズが提唱しているというこの取り組みの中でも行われているKNOW/DO/BEブリッッジのことは初めて知りました。到達することが期待される目標をKNOW/DO/BEブリッジの形で記述するという活動は、様々な「学び」の場においても有効なのではないかと感じます。もう少し詳しいことが知りたくなりました。

著者の松尾氏によると、アメリカでのスタンダード教育改革には、行動主義パラダイムと構成主義パラダイムが混在しているそうです。「真正の学力」の育成・指導と学習と評価の一体化・真正の評価にとって有効なのは、構成主義パラダイムに基づいて進めることですが、現実はそう簡単ではないみたいです。この辺のところは、我が国の状況とも重なっていると言えるのかもしれません。

最後に、次のような著者の言葉がまだ残っていますので紹介しておきます。

構成主義パラダイムに立てば、スタンダード教育改革は、探究を中心においた教育実践が展開され、問題解決能力や高次の思考力・判断力の育成が促されるとともに、教師の専門性が尊重されることになるのである。

スタンダードは、教育を方向づけるガイドにもなれば、教育を標準化し自由を奪う拘束服にもなる。また、アカウンタビリティは、教育の改善を促す支援制度にもなれば、アメとムチによって教育を統制する監視制度にもなる。

このような書籍が教育学関係者だけでなく、保護者や会社員にも手にとってもらえるようになれば、様々な問題を解決できる社会もそう遠くないように思います。また、そもそも「学力」とは何なのかといった議論が一般社会の中にも広がっていくことを期待したいと思います。

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