R.I.P. Steve Jobs

R.I.P. Steve Jobs

2011年10月8日

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クレイジーな人たちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定し­ない。彼らの言葉に心をうたれる人がいる。反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。しかし彼らを無視することは誰にもできない。なぜなら、彼らは物事を変えたからだ­。彼らは人間を前進させた。彼らはクレイジーと言われるが、私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。
茂木健一郎氏による今朝の連続ツイートは、AppleのCM:Think Differentについて。題して「信念をつらぬくことが、結果として、その時の常識と異なる生き方につながることがある」ことについての連続ツイート。
私もこのCMというかメッセージが好きでした。「あなたとは違うんです!」という昔どこかで聞いたフレーズとはちょっと違うみたいです。茂木健一郎氏が次のようにつぶやいています。

ここで肝心なのは、Think Differentということの意味である。「私は他人と違う」と言う人が時々いるが、その人の響きが、取りたてた印象を与えないこともある。個性があるのだから、違うのは当たり前。Think Differentには、それ以上のメッセージがある。

では、Think Differentというメッセージの意味はというと・・・茂木氏はツイートを続けます。

違っていることに意味があるのではない。自分のヴィジョン、信念があることに意味があるのである。それが、たまたま、その時々の世間の常識や、既成観念と一致しない。結果として、Think differentになる。「異なる」ことは目的ではなく、結果なのだ。Think Differentのコマーシャルに登場した人には、すべて強い信念があった。彼たち/彼女たちにとっては、それが真実だったのである。「陽明学」の精神で幕末を貫いた吉田松陰のように、成功が保証されてなくても自分を貫くだけの、熱いパッションがあったのだ。「多様性」が称揚される現代。人と違うことはもちろん結構だけれども、「違う」こと自体が目的なのではなく、世間とたとえ違っていても、それに寄り添い、貫き、時には心中できるくらいのかけがえのないヴィジョンに出会うこと、そのことが一番大切なのである。自分が出会ったヴィジョンがたまたま世間の現状と異なったものであった場合、行動すれば当然風当たりが強くなる。その時にやめてしまったら、Think Differentにならない。同調圧力に屈するのは楽だが、それでは、自分を貫くことも、世界を変えることもできない。Apple、そしてSteve Jobsが、1997年の段階で、Think Differentのようなコマーシャルを放映することができたこと。その時の客観的な状況がどうであれ、彼らには、幕末の志士のように、決して揺るぐことのない信念があった。だから、実際に世界を変えた。ジョブズには、その時々の環境が何であれ、自分が見たヴィジョンを貫く強さがあった。残された私たちは、それぞれのThink Differentを生きればいい。異なることが目的なのではない。自分の信じるヴィジョンに寄り添って、逆風の中に立って進み続けることが大切なのだ。

You Tubeには、このCM:Think Differentがいくつか投稿されています。そして、なかにはRequiescat in Pace「安らかに眠れ」Steve Jobsというタイトルがつけられたものもありました。Steve Jobsがナレーターをしているバージョンを見ながら、Think Differentというメッセージを振り返ろうと思います。

その機会を与えてくれた茂木健一郎氏に感謝します。
そして、R.I.P. Steve Jobs・・・

“ Here’s to the crazy ones. The misfits. The rebels. The troublemakers. The round pegs in the square holes. The ones who see things differently. They’re not fond of rules. And they have no respect for the status quo. You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them. About the only thing you can’t do is ignore them. Because they change things. They push the human race forward. And while some may see them as the crazy ones, we see genius. Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do. ”
*This text is a quotation from Wikipedia.