地理教育ガイドライン

 アメリカ合衆国における1980年代の地理教育復興運動の中で、1984年にアメリカ地理学会(AGS)と全米地理教育協議会(NCGE)の合同委員会によって刊行されたのが、有名な「初等および中等学校用 地理教育ガイドライン」(一般的には、「地理教育ガイドライン」と呼ばれています)です。
 中山修一著「地理にめざめたアメリカ」(古今書院)をもとに、その記述の書き出しの一部を紹介します。
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(前略)
 我々は毎日、幸せを得るために重要な決定を下しているし、毎日のように地理的な知識を使い、また我々の生活に与える重要な地理的影響に出くわしている。
(中略)
 地理的知識は、核軍縮、原子力発電所の立地、核廃棄物や有毒化学物質の安全処理、人種・年齢・所得差による住み分け、女性や少数民族の差別、開発国および発展途上国間の経済資源の不均等分布、といった問題に深くかかわるものである。注意深い地理的考察は、環境の悪化、大洋資源の有効利用、紛争国家からの難民移住、政治的抑圧、テロリズムなどの問題解決に役立つことができる。政府や大企業が策定し実施する政策は、地球上のどこでも届くインパクトをもっている。我々は自らの社会の動きが、他の社会にどう影響を与えるのか理解するよう努めなければならない。健全なる地理教育は、我々自身のこと、我々と地球との関係、我々と諸外国の人々の依存関係を理解するために、客観的見方、情報、概念、技能を与えてくれる。それはまた、すべてのカリキュラムに応用できる批判的思考や問題解決を補完し、拡大してくれる。我々は、この惑星上に住む人類の質の改善に、知性と道徳的感性を応用しようとするならば、もろもろの事象が「どこで」「なぜ」発生するのかを理解しなければならない。
(後略)

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