史的-地理的唯物論

「都市空間の地理学」という本をこの連休中に読もうと思って借りてきましたが、第Ⅳ部「ポストモダンの地理学?」も読み終えないまま連休最終日を迎えてしまいました。計画性がないというか、気力がないというか・・・

都市空間の地理学
都市空間の地理学

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加藤 政洋 大城 直樹
ミネルヴァ書房
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 13章は「デビッド・ハーヴェイ ー 社会-空間のメタ理論 ー」というタイトルです。執筆者は秋田大学の和泉浩先生(社会学)です。「ハーヴェイの史的-地理的唯物論的弁証法は、『視点』としてはともかく、『メタ理論』あるいは社会理論にはいまだにほど遠い」という手厳しい指摘もありますが、ハーヴェイの基本的な考え方を概観するには有益だと思いました。
 13章で印象に残った言葉を書き留めておきます。特に下線箇所。
「モダニティとポストモダニティーのあらゆる喧騒の背後に、途方もなく多様な所産をもたらしている、ある単純な生成原理を見出すことができる(ハーヴェイ、1999:443)」
「現代性とは、一時的なもの、うつろい易いもの、偶発的なもので、これが芸術の半分をなし、他の半分が、永遠なもの、不易なものである(ボードレール、1999:169)」
「弁証法には、さまざまな意味や定義があるが、ハーヴェイは弁証法的な思考を、『物』ではなく『過程』や『関係』を中心とした思考と定義している(本書221)」
「一見、安定的に見える構造や物であっても、実際にはたえず流動状態にさらされたなかで『永続性』を獲得している(本書222)」
「ハーヴェイはそうした生成原理として、言うまでもなく資本の循環を考えている(本書222)」
自然現象や社会現象の生成原理は単純なものだ私は思っています。単純な規則と偶発的な規則の乱れの存在によってつくられているのが私たちを含めた世界ではないかと・・・
ボードレールの言葉からは、茂木健一郎さんがよく使う「偶有性」という言葉を思い出しました。。そして、流動状態という言葉からは、分子レベルで見ると人間の外見はほど同じでも中身はまったくの別物になっているという話を思い出しました。
もしかすると、様々な論考を乗り越える新たなパラダイムの萌芽がすでに出現しているのかもしれませんね。私は、それらと巡り会うことができるのでしょうか?