著名な地理学者David Harveyデヴィッド・ハーヴェイ教授の講演会に行ってきました!

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こんにちは bibaです。
先月、滋賀県草津市に行ってきました。平成29年台風第21号に向かっていくような移動でしたので、直前まで取りやめにするかどうか迷いに迷った上での滋賀行きでした。

すでに、京風ラーメンや琵琶湖湖岸を散歩したことなどを記事としてアップしているのですが、今回の旅の目的は単なる旅行というわけではありません。

デヴィッド・ハーヴェイ氏に会いたい!

旅の目的。それは、立命館大学経済学部設立70周年記念プレ企画として行われた「デヴィッド・ハーヴェイ教授講演会」に参加することでした。

こんにちは bibaです。 昨日に引き続き、今日もちょっとお堅い地理学ネタですが、最後までお付き合いください。 さて、いきなりですが...

どんな人にも会ってみたいと思いながらも、なかなか会えない人というのがいると思います。私にとってはのデヴィッド・ハーヴェイ氏がそんな位置付けの人でした。

実は、1994年の秋にも彼の話を聞くチャンスがありました。日本学術振興会の招きで来日したデヴィッド・ハーヴェイ氏が参加するシンポジウムを日本地理学会が秋季学術大会で開催されたからです。

しかし、この時は仕事の都合でどうしても参加することができませんでした。当時の私は、土日関係なく働かなくてはならないような毎日でしたので仕方ありません。

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大きすぎた台風21号の影響

「デヴィッド・ハーヴェイ教授講演会」は、滋賀県草津市にある立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催されました。当初の予定では、京都からJR東海道本線(琵琶湖線)で南草津駅に向かい、そこから近江鉄道バスで大学まで行くつもりでした。

ところが、京都駅に行くと、掲示板に琵琶湖線の表示が出ていません。

駅員さんに聞くと、台風の影響で琵琶湖線のダイヤがかなり乱れていることがわかりました。30分ほど待つと、電車が来ましたが、途中で止まるかもしれないとのことでした。

とりあえず乗り込みましたが、やはり駅に着くたびに、停車している時間が長くなりました。なんとか、南草津駅の一つ手前の瀬田駅ではたどり着きましたが、電車はそのまま1時間近く止まったままの状態となりました。

なかなか動き始めない電車の中で、しだいに開会時刻に遅れることが心配になってきました。遅れたらここまで来た意味がないので、私は瀬田駅で降りて、タクシー乗り場に向かいました。

タクシー乗り場は、すでに行列ができていて、なかなか前に進みません。近くのタクシー会社に電話もしてみましたが、どこの会社も配車できる車がまったくないということでした。

あっちこっちのタクシー会社に電話をしていたら、なんと駅に停車していた電車が南草津に向かって走り出しました。

後悔していても仕方ないとあきらめて、別の移動方法を考えまいした。

ふと、駅前のバス停の方を見ると、大学病院行きのバスが止まっていました。大学といっても立命館ではなく、こちらは滋賀医科大学。でも、立命館大学とはそんなに離れていないことがわかったので、そのバスに乗ることにしました。

大学病院から歩いてもいいかなぁと思っていましたが、バスを降りると、タクシーが1台止まっていました。

そのタクシーのおかげで歩くこともなく、会場に到着することができました。

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やはりデヴィッド・ハーヴェイ氏は地理学者

立命館大学経済学部設立70周年記念プレ企画として行われた「デヴィッド・ハーヴェイ教授講演会」の会場は、キャンパス内のエポックホールというところでした。初めての場所で、どの建物がエポックホールかどうかもわかりませんでしたが、近くを歩いていた方に聞いたら、目の前の建物でした。

台風の影響で、講演会は少し遅れて始まりました。始まるまでの間、配布された次第を眺めていました。講演会の演題は「資本の時空」と書いてありました。ポスターでは、「講演タイトル:資本の時間と空間 The Space and Time of Capital」となっていたのですが、ニュアンス的にはどちらがいいのかなぁなんて考えてしまいました。

開会の挨拶のあと、デヴィッド・ハーヴェイ氏の著書を多く翻訳している大屋定晴氏から講師紹介と解説がありました。

そして、ついにデヴィッド・ハーヴェイ氏の講演が始まりました。

講演中、きちんとしたメモもとらずにいたので、かなり曖昧ですが、始まってからまもなくしてデヴィッド・ハーヴェイ氏はこのような内容のことを語りました。私には、これらの話がとても印象的でした。

・私を資本論の専門家のように思っている人に出会うことが多くなった。しかし、私はマルクスや資本論研究の専門家ではない。私は地理学を考えることに長い間取り組んできた。

・資本論に注目しているのは、資本が動いている様子を理解する手段の一つとして有効だと判断したからである。

・マルクス主義経済学者は「生産」だけを重視する傾向があるが、「生産」だけでなく「価値の実現」も大切である。

・解像度を下げる。

・エコシステムのような全体像、オーガニックな全体像を考える。

今回の講演では、地球上の水循環を示す図を参考にして「資本」の動きを図化した構造図を使った話が大部分でした。版権の都合で、その図をここに示すことはできませんが、デヴィッド・ハーヴェイ氏の近著を読めば、その内容を確認することができます。

私は、デヴィッド・ハーヴェイ氏の講演を聞いて、彼はやはり地理学者であることと改めて知ることができました。また、計量主義からマルクス主義への変化も唐突なものではなく、連続性のある変貌だったと窺い知ることができました。

彼は、解像度を下げて「現実」を見つめなおすことで、そこに隠されている「理論」の全体像を見いだそうとしており、その説明する手段として資本論に注目しているにすぎないのかもしれません。

そして、そのシステム内部で発生するエラーが、人間社会における様々な問題の引き金となっている現実を理論化していこうとしているような気がします。

さらに、今回の講演での中心資料となった「資本」の動きを構造化した図が、大気中の水循環を参考にしていることからも窺い知ることができるように、彼はそうしたシステムを空間的な層として切り取り、その層が時間的なスパイラルの中でさらに変容していることも「理論」として説明しようとしているように感じます。

講演の後は、いくつかの質疑の中から進行役の大屋氏などが選択したことに対して、デヴィッド・ハーヴェイ氏が答える時間が設けられました。

・資本主義はスパイラルアウトしている。

・アメリカもイギリスも、alienation(疎外感を感じている人)の行き場がない。

・資本主義は強い権力であり、自動的には壊れない。

質疑の中での聞いたこんな言葉も心に残っています。経済理論学会での講演はどんな内容だったのか気になるところです。