はじめに
海外旅行では予想外のトラブルに遭遇することがありますが、今回は私がマレーシアで体験した配車アプリにまつわる困った話をご紹介します。「旅は行き当たりばったりが楽しい」と思っていた私が、事前調査の大切さを痛感した出来事です。
ショッピングモールでの買い物は順調だったのに
私は港から約10キロほどのところにあるAEON Bukit Tinggi Shopping Center(イオン・ブキ・ティンギ・ショッピングセンター)で買い物を楽しんでいました。日本でも馴染みのあるイオンということもあり、買い物自体は何の問題もなく進みました。
しかし、問題が発生したのはその後でした。
タクシー乗り場が見つからない!
買い物が終わって港に戻ろうとしたとき、タクシー乗り場を探し始めました。モールの正面入口付近に行けばタクシーが拾えるだろうと思っていたのですが、それらしき場所を見つけることができません。
仕方がないので、インフォメーションカウンターでタクシー乗り場の場所を聞いてみることにしました。
衝撃の事実「タクシー乗り場ありません」
インフォメーションカウンターの係の人にタクシー乗り場の場所を尋ねると、驚きの答えが返ってきました。
「タクシー乗り場ありません。Grabは使ってませんか?」
「Grab?」と私が聞き直すと、その係の人は笑顔で「配車アプリの一つで、ここではそのアプリがないとタクシーに乗れません」と答えました。
このままでは港に戻れなくなるのではないかと急に心配になってきました。
親切な現地スタッフに救われる
困った顔をしながら、「Grabは使っていない」ことと「港に戻りたい」ことを伝えました。すると係の人は「友達に相談すれば解決してくれるかもしれない」と言って、その場を離れました。
しばらくして、その係の人は従業員らしい別の人を連れてきました。その従業員らしき人は、「僕のGrabを使って車を呼んであげます。でも、支払いはキャッシュだけになります。キャッシュは持っていますか?」と言いました。
現金がない!ATMへ急行
買い物は全てカード払いの予定だった私は、マレーシア通貨(マレーシアリンギット)を持っていませんでした。キャッシュは持っていないことを伝えると、「それでは乗れません」と言われてしまいました。
そこで、ATMでキャッシングすることにして、その場所を聞きました。その場所は、インフォメーションカウンターとは違うフロアだったので、見つけるのに時間がかかってしまいました。
料金が上がってしまった!
インフォメーションカウンターに戻ると、ATMに行く前に聞いた料金で乗れる車は乗れなくなってしまっていて、料金の高い車しか配車できない状況になっていました。
従業員らしき人の説明では、「料金が高いのは、良い車が使われているから」ということでした。
少し多めにキャッシングしたので、なんとかこの車を呼んでもらえることになりました。
港での追加料金発生
指定された場所で待つと、車が来ました。従業員らしき人が説明してくれたように、新しい感じで乗り心地のいい車でした。
その後、何事もなく港に戻ることになれば良かったのですが、予想外のことがもう一つありました。
港の近くまで来た時、ドライバーがこんなことを言ってきたのです。
「港に入るには追加の料金が必要になりますが、港に入りますか?ゲートの外でいいですか?」
確かにポート・クランにはゲートがあったことを思い出しました。
追加分も手持ちのキャッシュで支払える料金であることを確認した上で、クルーズターミナル前まで乗せてもらうことにしました。ポートクラン(Port Klang)のゲートからクルーズターミナルの建物までは、歩いても行ける距離ですが、精神的に疲れていたからです。
旅慣れた友人からのアドバイス
これでなんとか港に戻ることができました。
後で旅慣れた友人に聞くと、「東南アジアを旅するなら、配車アプリはGrabだよ」だそうです。配車アプリといえばUberしか使ったことがなかった私はいい勉強になりました。
この時まで、私は「旅に行く時はあまり調べないで行く方が楽しい」と考えていたのですが、無謀だったみたいです。今回の件もなんとか無事に乗り越えることができたので、いい思い出の一つにすることができて良かったです。
東南アジアで使える配車アプリ一覧
帰国後に調べてみると、よく使われる配車アプリには次のようなものがあるようです。
アプリ名 | 特徴・メリット | 主な対応国 |
---|---|---|
Grab | 東南アジア8ヵ国で使える定番アプリ。信頼性が高く、使いやすい。 | シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ミャンマー |
Bolt | 料金が安めで、車の台数も多く、コスパ重視の人におすすめ。 | タイ、マレーシア、インドネシア等 |
inDriver | 料金交渉型。自分で希望価格を提示できるユニークな仕組み。 | タイ、マレーシア、インドネシア等 |
AirAsia Ride | Grabより安いことも。AirAsiaのポイントと連携可能。 | マレーシア、タイ等 |
Maxim | マイナーだが安価。バイクタクシーにも対応している。 | タイ、インドネシア等 |
MyCar | Grabより安いことが多く、地元の人にも人気。 | マレーシア |
まとめ
今回の経験から、東南アジア旅行では配車アプリの準備が必須だということを学びました。特にGrabは東南アジア8ヵ国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ミャンマー)で使える定番アプリなので、これらの国を旅行する際は旅行前にダウンロードしておくことをおすすめします。
また、現金の準備も大切です。配車アプリでもキャッシュ払いを求められることがあるので、ある程度の現地通貨を用意しておくと安心です。
「行き当たりばったりの旅」も楽しいものですが、最低限の準備は必要だということを痛感した出来事でした。これから東南アジアを旅される方の参考になれば幸いです。