070801 奇妙な窪地「ジャガラモガラ」

2007年8月6日

山形大学の阿子島先生を講師に迎えてのフィールドワークに参加しました。一昨年は、山形盆地西部の典型地形に関するフィールドワークでしたので、今年は、盆地東縁の地形を見てきました。

まず、最初に行った所は、県指定天然記念物になっている ジャガラモガラ風穴 (山形県天童市)です。

ジャガラモガラは、大きな地すべりによってできた窪地です。上の写真は滑落崖方向を、そして、下の写真は窪地方向を撮影したものです。

冷風の吹き出す風穴群があり、亜高山性の植物の大群落が見られたり、植生の垂直分布が逆になっていたりする場所です。植生異常分布の原因は、冷気湖が形成されているためだと説明できるのですが、冷気湖の形成などについては、はっきりしたことがわかっていない奇妙な窪地です。興味深いですね。
試しに阿子島先生が風穴内の温度を測定してみると、3.9℃でした。(この場所の気温は24℃)

「ジャガラモガラ」という名前は、明治期以降に命名されたという見方が有力ですが、どうしてこのような名がついたのかは諸説あって、これもはっきりしていません。
「ジャガラモガラ」から少しくだったところには、「桂渕」と呼ばれている湧水があります。ここは、涼しかったです。

その後、フィールドワークでは、扇状地の扇頂部につくられた地下水涵養施設や扇端部の湧水箇所などを見てまわりました。それから、活断層を探している時に気づいたという戦時中につくられた滑走路跡も近くにあったので案内していただきました。