気になっていたクラウドコンピューティングに関する書籍をようやく読み終えました。昨年の年明けに戸田覚著「手帳はiPhoneに変えなさい」を読んだあたりから、小山龍介著「クラウドHACKS!」、原尻淳一・小山龍介著「IDEA HACKS!2」と、クラウド技術の活用を話題にした書籍を読み続けていることがわかります。これは、私の関心がクラウドにあるだけではなく、社会からクラウド技術が注目される時代になったことを物語っているのだと思います。
さて、今月に入って読み終えたクラウド本は、次の2冊です。
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まず、北真也著『[新時代のワークスタイル]クラウド「超」活用術』を10日ほどかけて読みました。ページ数があるので、最初は読み終えるのに時間がかかってたいへんかと思ったのですが大丈夫でした。
このようなクラウド活用に関する本を読んだ時に、私が特に参考にしたいと思うことがあります。それは、著者による情報機器(アプリ)の同期環境を簡単にまとめた図表です。戸田覚著「手帳はiPhoneに変えなさい」には戸田氏自身の同期環境が掲載されていて参考になりましたが、この北真也著『[新時代のワークスタイル]クラウド「超」活用術』にも、クラウド活用ツールの関連図やワークフロー図が掲載されています。
この図表を拠り所にしながら読み進めると、著者の活用方法に関する文章がわかりやすくなるように感じます。
また、個人的には「ドキュメンテーション術」に関して書かれているセクションが参考になりました。発想ツールからアウトラインを作成し、シノプシスを決めていく時に著者が活用しているアプリも参考になりました。私にとってScrevenerは使いにくそうな印象のアプリでしたが、本書を読んで使ってみたくなりました。
ただ、全体を読み終えて感じたことは、私には著者のように几帳面に情報やライフログを記録することができないだろうというあきらめ。私のような人間は、記録するという作業が多いと結果的に生産性を高めることにならない場合もあるかもしれません。
次に、読み終えたのは、堀正岳著『理系のためのクラウド知的生産術』です。高校生の頃からお世話になっているBLUE BACKSシリーズの1冊です。
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こちらは、ブルーバックスだということもあって、かなり読みやすい内容でした。もちろん、先に、北真也著『[新時代のワークスタイル]クラウド「超」活用術』を読んでいたということも影響していると思います。
はじめて知ったのは、メンデレイ(Mendeley)というアプリの存在です。論文の書誌情報を仲間と共有することも大切だと思いました。また、Googleドキュメントで論文を書くと言う第5章も参考になりました。もはや、TeXなどの組版システムを使うメリットがあまり主張できない時代になっているんですね。
この2冊を読んで考えさせられたのは、使用するアプリにあまり拘らないで試行錯誤しながらクラウドを活用していくことの大切さです。私は、どうしても最初から完璧に近い環境をつくろうと思ってしまいますが、基本ソフトやアプリがアップグレードされる状況の毎日の中で、それは不可能なことであり、それを目指すことは無駄な行動にすぎないということです。
まずは、使い勝手の良さそうなアプリを使って、基本的な環境を整えたら、問題が起こるまでその環境は維持しておいた方がいいように感じました。これまでこうしたツール環境の改善のために使ってきた労力は、仕事における生産性向上や健康管理のための時間確保に使っていくべきなんだと思います。
最後に、堀正岳氏は『理系のためのクラウド知的生産術』の中で、タブレット端末を持つことを勧めています。この2冊を読んで、私も正直iPad2を購入したくなりました。しかし、次期iPadが3月に発表されるという情報を得て、購入を躊躇してしまいました。基本的な環境を整えることが大切だと言いながら、まだまだ行動力が伴わない私です。
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