ネットワーク型情報整理ツール使い倒すための指南書『Scrapbox情報整理術』を読みました

ネットワーク型情報整理ツール使い倒すための指南書『Scrapbox情報整理術』を読みました

2018年8月10日

こんにちは bibaです。

さて、皆さんは次世代の情報管理ツールとして注目されているスクラップボックス(Scrapbox)をご存知ですか?

私の場合は、塩澤一洋氏がブログをMediumからこのScrapboxに移転したことで、その存在を知りました。

Mediumが話題になった時には、私も試してみました。Scrapboxの存在を知った時も気にはなりましたが、その時点でそれを試してみようとは思いませんでした。

確かに、塩澤一洋氏のブログ移転からも、Scrapboxがブログとしても使える機能があることは理解できましたが、私にはまだWordpressの方がブログには適しているように思えたからです。

そんな気になる存在でありながらお試しもしてなかったScrapbox関連の書籍が出版されたというので読んでみました。

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倉下忠憲著『Scrapbox情報整理術』

今回、私がScrapboxに関する理解を深めるために、手にしたのは次の本です。

 

Scrapbox情報整理術
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倉下 忠憲
シーアンドアール研究所 (2018-07-27)
売り上げランキング: 252,841

 

また、この書籍の「目次」は次のとおりです。

PROLOGUE ようこそScrapboxへ
CHAPTER-1 Scrapboxの構成と入力方法
CHAPTER-2 Scrapboxはネットワーク構造で情報を整理する
CHAPTER-3 Scrapboxで知をつないでいく
CHAPTER-4 もっと便利にScrapboxを使う

Scrapbox関連の書籍はこれまであったのかもしれませんが、私は読んだことがありません。私にとっては初めてのScrapbox本ですが、発行所がシーアンドアール研究所のものとしては数冊目になります。

ネット上だけでは把握しきれない情報を、このような書籍という形でまとめて提供してくれる発行所があることは、とても嬉しいことです。

Scrapboxとは何か?

私と同じように、Scrapboxの概要を理解したい方がいるかもしれないので、著者のことばを引用しておきたいと思います。

Scrapbox=カード型のスムーズWiki
Scrapboxを端的に説明するとこうなります。
もう少しだけ説明を追加してよければ、「カード型の、ビジュアル重視である、便利な記法・入力方法を持つ、リアルタイムで複数人編集可能な、拡張性たっぷりのWiki」です。

Wikiシステムを使って実現しているものというと、Wikipediaを思い浮かべる方が多いかと思いますが、著者は、「このScrapboxは『自分ウィキペディアを作るもの』だとも言えそうです。」とも言っています。

私はHyperCard(ハイパーカード)が好きだったので、Scrapboxとはそれと似たようなハイパーテキスト構造をもった情報ツールなのだという印象を持ちました。Scrapboxもネットワーク構造で情報を整理することができるからです。

HyperCard(ハイパーカード)でプログラムを記述するにはHyperTalkと呼ばれるスクリプト言語を使いました。Scrapboxでは、JavaScriptにより機能を拡張することができるそうです。

単なるScrapbox解説本ではない魅力

この本を読むことで、読者は次世代の情報管理ツールとして注目されているScrapboxの概要や使い方を知ることができます。

しかし、私が読み終えて感じたのは、この本は単なるScrapbox解説本ではないということです。

本書2章の見出しは「Scrapboxはネットワーク構造で情報を整理する」です。この章では、Scrapboxの魅力を語るために、「情報」「整理」という概念に関する話題や「情報整理の歴史」そして「知識の性質」に関する話題が簡潔に説明されています。

また、エピローグの見出しは「知のコラボレーションで時代を切り開く」。ここでは、インターネットや現実社会における「知識」と「情報」をめぐる課題の存在を著者は指摘しています。

Scrapboxというツールについて理解を深めるだけでなく、「情報」「整理」や「知識」、さらにはインターネットなどの情報環境のあり方について再考させてくれるのも、本書の魅力です。

Scrapboxを使ってみよう

本書を読んで、Scrapboxの概要が理解できました。既存のツールとは異なる点がありますが、逆にそれが「知を閉じ込めない」というこのツールの魅力を作り出しているだということがわかりました。

また、本書を読むことで、偏在と分散というネット上の情報をめぐる課題にも改めて気づくことができました。

著者も指摘しているように、Scrapboxは機能改善を重ね、さらに新しい機能が追加されていくことになると思います。

私も「知のコラボレーションツール」とも言われるScrapboxを使って、新しい情報整理術を始めてみようと思います。

なお、Scrapboxの使い方や話題を集めているプロジェクト(scrapbox研究会)も公開されています。

scrapbox研究会

 

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