ライフハックの罠を楽しみながら豊かに生きる

先日、映画「燃えよドラゴン」の中で、ブルース・リーが語った次の言葉の引用で始まる文章が目に留まりました。

It’s like a finger pointing at the moon. Do not concentrate on the finger or you will miss all of the heavenly glory! —-Bruce Lee.
月を指している指のようなものだ。指先にとらわれるんじゃない。さもないと神々しい栄光を逃がしてしまうぞ。

この台詞の前には、さらによく知られている台詞があります。

Don’t think! Feel.
考えるな!感じろ。

この台詞は、Productivity pornというタイトルがつけられ、Vivek HaIdarという方が書いた文章の冒頭で紹介されているものです。そして、この文章を読む切っ掛けとなった投稿は堀正岳さんのサイトLifehacking.jpにあった次の投稿でした。

全力で避けるべき「ライフハック・ポルノ」の罠

堀氏によると“ Productivity Porn の罠 ”とは「『これは便利』『これは有用』『これは効率的』という名のもとに手段が目的をハイジャックすること」だそうです。そして、堀氏自身は、常に目的を見失わないことを心がけながら、ライフハックを実践したり紹介したりしていくことにやりがいを見出されていました。

これを読んだ僕は、自分もライフハックの罠にはまってしまっていると感じました。

僕はネット上で紹介されているライフハックに興味を持って生活しています。なにかと新しいものが好きな僕は、便利な道具の使い方を理解し、それを有効に活用する方法を考えることも好きなんです。

しかし、そんな僕でも、いろいろなライフハックをなんでもかんでも実践しようとは考えていないことも事実です。

僕にとって『ライフハック』というものは、単に仕事を効率よく快適に進めるためのコツやツールではありません。ちょっと大袈裟な表現になりますが、それは仕事の仕方であり、生き方そのもののような気がしています。

他の人が実践しているライフハックの中から自分が納得できるものを取り入れながら、自分の生き方をより豊かに確立していくことが僕の目指していることなのではないかと考えています。

先に紹介した堀氏も次のように述べています。

”Useful” (便利)であることはたいてい人生をよい方向に変えてはくれません。“Better” 「より良い」ものであることだけが成長を促します。そして Better を達成できたときの気持ちよさといったら…

この言葉は、原尻淳一氏や小山龍介氏の次の言葉とも重なります。

ハックという仕事のスキルを使って、まず場に貢献するという順番でないといけない。効率や成果が最優先になってはいけないんです。(小山)

今までは世の中全体が、「効率」とか「成果」とかやたら言っていた。もちろん、それも大事だけれど、みんでやることによって、それをもう少し楽しさや豊かさにつなげていかないと、ハック本来の精神から離れてしまう。(原尻)

ネット上にはライフハックとなるコツやツールを紹介したサイトがたくさんあります。これまでは、こうしたサイトをつくっている方が実際に顔を合わせてセミナーを行うなんてことはあまりせんでした。しかし、このごろこういった状況も変化してきていて、こうした方々が中心になってセミナーを開催したり、交流会(オフ会)を開いたりするようになってきています。

このような事実も、ライフハックを求める人々が単に生産性向上だけを求めているのはなく、自分なりの生き方や自分の居場所を振り返り、「豊かな」人生を生きようとしていることのあらわれなのではないでしょうか。

僕は、これからもライフハックについて楽しみながら学び、豊かな人生を目指したいと思います。もちろん、ライフハックの罠には警戒しながら・・・

セミナーやオフ会にもできたら参加してみようと思います。

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