こんにちは bibaです。
「ブログは質より量」というようなお話を耳にしたことがあります。でも、やはり書き続けることはやはり難しいことです。記事を書かないという選択をした方が、毎日をここちよく過ごせるからです。
ブログを書くという行為を毎日の習慣にできれば、こんな思いをすることもないのでしょうが・・・
さて、ミニマリズムを紹介した『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』の著者としても知られる佐々木典士氏が、「習慣」をテーマにした本『ぼくたちは習慣で、できている。』を書いたというので読んでみました。
自分は「意志が弱い」と思い込んでいる、すべての人へ
表紙をめくって、最初に読者が目にする文章がこれです。
自分は「意志が弱い」と思い込んでいる、すべての人へ
著者にとっては読者ターゲットを明確だけの文章かもしれませんが、このように思い込んでいる人はたくさんいると感じました。もちろん、私もその一人です。
そして、目次の次にある「はじめに」の中で、著者は本書のねらいとも言えることを明らかにしています。
ぼくは今、才能も努力という言葉も誤解されて使われていると思っている。才能は天から与えられるようなものではないし、努力は歯を食いしばるような苦しみのことでもない。それを「習慣」というテーマで明らかにしてみたい。そういう才能や努力を、もっと普通の人に取り戻したい。それは、限られた人にしかできないものではなく、工夫次第で身につけられるものである。
ここからもわかるように、本書は単に「習慣化のコツ」を書いたハウツー本ではありません。読みやすい文章で書かれていますが、単なるハウツー本で終わっていないことが、本書の大きな魅力だと感じます。
この本の内容と構成
本の内容
著者はこの本の内容を簡単にまとめるとこうなると紹介しています。
・才能は「与えられる」ものではなく、努力を続けた後に「作られる」ものである。
・その努力は、習慣にしてしまえば継続できる。
・その習慣の方法は、学べるものである。
本の構成
本書の目次は次のようになっています。著者も述べていますが、手っ取り早く「習慣化のコツ」だけを知りたいという場合は、3章だけ読むというのもオススメです。しかし、先にも書いたように、本書の魅力は3章以外のところにあると思います。
はじめに
1章 意志力は、生まれつき決まっている?
2章 習慣とは何か?
3章 習慣を身につけるための50のステップ
4章 ぼくたちは習慣で、できている。
おわりに
特に、「意志力」の問題について考えている1章は興味深い内容がたくさん書いてあります。その中でも、印象に残ったことは、「意志力は『感情』が左右する」というもの。喜びの感情は意志力を回復させ、反対に自己否定感や不安などのマイナス感情が意志力を消耗させるというのです。そして、こうした状況を生み出しているのが、脳にある2つの情報システムの相互作用だという説明がこれに続きます。
人には「双曲割引」という性質があり、好ましい習慣を身につけることを難しくしているのだと著者は指摘します。そして、習慣とは「ほとんど考えずに行う行動」のことであるとし、習慣にするには、意識使わずに行動する必要があるとしています。
では、どうしたら、そのことが可能になるのでしょうか?そのことについては、2章で詳しく検証されることになりますので、本書を手にとってみてください。
まとめにかえて
著者は『習慣の力』のチャールズ・デュヒッグをもとに、習慣は3つの要素で成り立っていると述べています。
1つめは「トリガー」。2つめは「ルーチン」。3つめは「報酬」です。
習慣化には「トリガー」が必要であり、繰り返していくことで「ルーチン」化していくことは他の本でも指摘されていることでした。しかし、これまでの私は、「報酬」という視点から習慣化ということを考えたことはありませんでした。こうした視点がもてたのも、本書を手にした良かったと思うことです。
著者の『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』でもそうでしたが、本書の中でも、便利になった現代社会の中に対応できない狩猟生活時代のままの人間(の脳)という構図で「習慣」をめぐる問題が考察されている箇所があります。そして、「習慣」の延長として「なぜ人は成長を求めるのか?」や「感情からみた幸せ」といったことまで言及し、習慣化のことばかりではなく、悩みや不安との付き合い方といったことについても書かれています。こうした広がりがあることも本書の魅力だと感じます。
皆さんも一読をオススメします。
なお、著者の前書である『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』については、こんな記事も書いています・・・